ムーミンシリーズに登場するスナフキンは自由を愛する流浪の旅人です。
小説の中で、スナフキンはしばしば含蓄のある言葉を発します。

今回は『ムーミン谷の彗星』の中のスナフキンの言葉を紹介します。
ムーミンたちはスナフキンと散歩に出かけると、赤いガーネットがたくさん落ちているのをみつけました。

このガーネットで帆前船やスケートなど好きな物はなんでも買える。
「好きなだけとっていい」とスナフキンに言われて、スニフは喜び勇んで谷底へ降りていきました。

スニフが大きな赤いガーネットが2つ光っているのを見つけました。
そのガーネットは動いてまばたきをしました。

赤い2つガーネットの正体は大トカゲの光る眼でした。
「きゃっ」一声悲鳴をあげるとスニフは、後ろも見ずに逃げました。
それで、結局スニフはガーネットを1つも取ってこれなかったのでした。
スナフキンはスニフのそばに腰を降ろして優しく言った次の言葉が名言です。
なんでも自分のものにして、もってかえろうとすると、むずかしいものなんだよ。ぼくは、見るだけにしているんだ。そして、立ち去るときには、それを頭のなかにしまっておくのさ。ぼくはそれで、かばんをもち歩くよりも、ずっとたのしいね。」『ムーミン谷の彗星』(講談社文庫P60)
どうですか。
実に含蓄(がんちく)のある言葉です。
なんだか、仏教の教えのようでもあります。
スナフキンは旅人であると同時に哲学者でもあるのです。
コメントを書く
コメントを投稿するにはログインしてください。