【猪カレーはどんな味?】西表島船浮へ行く(第4回)

(1)恋人を待つ乙女は、この木の前でどうしたか?

「猪カレー」を提供するカフェに行く途中で変な木を見つけました。

クバデサと言う名前の木で、奇妙な形をしていて、なんだか妖怪でも出そう。

沖縄に生えている「絞め殺しの木」ガジュマルにいる妖怪キジムナーって、こんな木に住んでいるのではないでしょうか。

さて、そこで問題です。

待てど暮らせど、恋人はなかなか現れない。

この木の前で待ち焦がれた挙句、乙女はどうしたでしょうか?

答えはベタです。

正解の前に、解説から。

ここは西表島船浮の「カマドマのグバデサー」と呼ばれる場所です。

グバデサーとは木の名前でカマドマは、恋人を待つ乙女です。

この木にはこんな言い伝えがあります。

今から約170年のこと。沖縄県西表島の祖納(そない)村から石垣高端という美男子が役人として船浮村に赴任して、この地のカマドマという評判の美しい乙女と恋仲になった。石垣高端は髪形から「殿様(でんさー)」と呼ばれていた。

二人は泣く泣く別れ別れになり、高端は愛するカマドマを置いて船浮を去った。

恋人の高端は船に乗って、カマドマにまた遭いにくるという。

そこで、カマドマはクバデサの木の下から、船浮港の向こうにある岬のほうを日がな

眺めて暮らしていた。

船の姿を見かける度に恋人が遭いにやってきたと思いがはやるけれど、それは別の船。

ところが、待てど暮らせど、高端はなかなかやってこない。

こんなことが度重なるあまり、カマドマはとうとうクバデサの木を両手で抱きしめて、空に向かって叫んだという。

はい、ここで答えを発表します。

正解は「木を両手で抱きしめた」でした。

この悲恋の伝説がもととなって、この地方に伝わる民謡「殿様節(デンサーぶし)」が生まれます。

(2)「猪カレー」のお店「ブーの家」はおしゃれなカフェ

さあ、西表島船浮を訪ねた2つ目の目的は「猪カレー」を食べることです。

「ブーの家」というカフェで提供されているとのこと。

広い敷地の奥がお店のようです。

外観は静かな一軒家というたたずまいです。

カレーのほかに、沖縄そばやお酒にコーヒーやソフトドリンクなどもあります。

私は迷いなく「いのししカレー」を注文しました。

この西表島には野生の猪がたくさん住んでいて、とくに船浮では猪猟が盛んだと聞きました。

猪の刺身を提供する店もあると聞き及びましたが、寄生虫がいるため、生は危険なので出さないようにと県からお達しがきているようです。

カレーであれば猪の肉は煮込んであるので安心・安全です。

そして、いよいよ到着しました。

猪カレーです。

外見はふつうのカレーとあまり変わりがありません。

さっそくいただきます。

肉は思ったほどクセがなく、言われなければ豚肉と思って食べてしまいそうです。

肉はよく煮込んであって柔らかく、カレーのルウもまろやかでおいしい。

あまり辛すぎないのがいいですね。

美味しかった。

ごちそうさまでした。

次回はイノシシそばにも挑戦したいですね。

(3)イリオモテヤマネコ発見の表示が

猪カレーを食べて帰る途中で、また見つけました。

『ふるさとの自然・文化・歴史研究室 西表館』という建物の門前に表示が立てられています。

イリオモテヤマネコは1974年3月17日午前3時頃に、軒先の鶏を襲ったところをここ船浮の住民に捕獲されて初めて発見されました。

あれからもう50年近く経っているのですね。

西表島の特別天然記念物で、この猫の名前は有名ですが、夜行性で、しかも個体数が減少しているため、観光客はまずお目にかかれない。

島の住人でも今まで数回見たかどうかという確率です。

最近は、交通事故で死ぬイリオモテヤマネコが年間数頭に及び、その保護をめぐって議論されています。

詳しくはこのブログに以前書いた下の記事を参考にしてください。

背景には、島にやってくる観光客の増加が挙げられています。

西表島はいま世界遺産登録に向かって動いていますが、そうなるとますます交通量が増え、イリオモテヤマネコの事故死も増加すると予測されます。

個体数が維持できなければ、種の滅亡という事態になります。

そこで、世界自然遺産登録にみけて沖縄県は年間33万人の入島制限を検討しているとのことです。

「琉球新報」2020年1月22日の記事より

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1060959.html

ということで、これで船浮へ来た2つの目的を達成することができました。

大変満足です。

この記事を読んで、西表島と船浮に興味を持たれた方がいられるなら、こう伝えたい。

行くのなら、今ですよ。

入島制限がかかると、ホテルの宿泊料なども値上げされると予想されます。

もちろん石垣島から日帰りのコースもありますが、やはり島にいくなら、泊まらなければ島の良さが見えてきません。

ぜひ、西表島のすばらしい夜を堪能してください。

蛍や早朝に花を開くサガリバナも見ることができます。

それでは、みなさん、よい旅を。

【猪カレーはどんな味?】西表島船浮へ行く(第4回)

西表島船浮へ行く4回シリーズ終了

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