指のない人の話

指のない人の話

昔、西表島には指のない男が何人もいた。
といっても、ヤクザ者のことではない。
おいおい、そのへんの事情を書いてゆく。

石垣島、西表島、小浜島、波照間島、与那国島などの沖縄の離島の島々を八重山 と呼ぶ。

この八重山には多くの植物が繁茂している。

森は亜熱帯のジャングルを形成し、人々の生活に大きな恵みをもたらしていた。
草木には名前がつけられ、食べられるもの、食べられないもの、毒のあるもの、薬になるものなどにしっかり区別されていた。
例えば、妊娠したヤギには、トベラという葉を食べさせると安産に効果があり、水虫の煎じ薬にもなった。
また、ククイノキは英語でキャンドル・ナッツと呼ばれ、ろうそくの代わりになった。
ヤマモモなどは秋になると赤い木の実をつけ、子どものおやつになり、鳥たちもその美味しい味を知っていて、子どもたちと我先に争って食べていた。
森の草木のほとんどすべては、島に住む人々の生活の支えになった。
たとえ毒を持つ木であっても役に立つことがあった。それらの毒草は魚毒として用いられた。

イジュというつばき科目の木の皮には毒があって、島の漁師たちはこの樹皮の粉末をサンゴ礁にまいて、浮かび上がってきた魚を捕っていた。(現在では禁止されている)
漁師はさらに多くのえものを捕ろうとして、発破を用いた。
発破とはダイナマイトのことで、これに発火して海に落とし、爆発の際の衝撃で失神して浮かび上がってきた魚を網で集めるのだ。
ただし、この漁法はタイミングが難しい。
発破に火をつけ、爆発前に着水すると点火した火は消えてしまう。逆に発破が着水前に爆発すると、空振ってしまう。
そこで、漁師はギリギリまで待って発破を投げるのだが、当時のダイナマイトは精巧でなく、導火線の長さがバラバラだった。
だから、ときには自分の手の中で爆発することがあったという。
それでタイトルにあるように、昔は指や鼻など体の一部が欠損している人がいた。
鉱山のある地方は、比較的容易にダイナマイトが手に入ったので、このような荒っぽいことがかなり頻繁に行われたと聞く。
何やら老人っぽい話になってしまった。

↓ランキングをクリックしていただければ幸いです。
にほんブログ村 スイーツブログ 冷菓子・アイスへ
にほんブログ村



 

沖縄県西表島カテゴリの最新記事